※緑内障とは視神経(見たものを脳に伝える神経)が障害され、視野(見える範囲)が狭くなったり、部分的に見えなくなったりする病気で眼圧の上昇がその原因の一つと言われています。
ただし、眼圧が正常範囲の人でも緑内障が起こることがある。
- 緑内障になりやすい人となりにくい人との違いは?
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- 遺伝
- 事故などの外傷
- 加齢による視神経機能の低下
- 既住疾患
- 強度の近視がある方
- 遠視の方
- もともと眼圧が高めの方
- 糖尿病だと緑内障になりやすいのか?
- 糖尿病の合併症として網膜症がある。
網膜症により新生血管ができ、隅角まで張り巡らせられると房水の排出を障害し、糖尿病性緑内障となる。 - 緑内障で視野が欠けて失明する人としない人がいるのか?
- 視機能は加齢と共に低下する早期発見と維持が重要。
個人個人の圧に対する強さ(視神経の眼圧抵抗性)、治療開始時期により変わる。 - ハンフリーとオクトパスは何が違うのか?
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メーカーの違い。
- 動的視野検査(GP)広い範囲を見る。
- 検査員が指標を動かし、指標に応じた感度の点を結び合わせた等感度曲線(イソプター)で現す方法で検査する。
- 静的視野検査(ハンフリー・オクトパス)
- 中心30°の細部をみる。光の強さを感度で測る。指標を動かさず、明るさを変化させ視野の投影曲線(プロフィル)で現す方法で検査する。
動的視野計では、異常の検出されない時期に、静的視野計ではすでにマリオット盲点から離れた領域の、感度の低下が認められる為緑内障の特徴的な早期視野変化である、中心5~20°以内に出現する孤立暗点(小さい暗点)の検出には動的視野検査より静的視野検査が適しているといえる。
一方、動的視野計では中心部と周辺部が同時に測定でき視野の全体像を把握するときや、周辺部まで視野障害が進行した場合に有用です。 - 日常生活で気をつけること、症状を悪化させるようなことはあるのか?
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特にしてはいけないことはない。健康的で無理のない規則正しい生活を心がけましょう。
眼圧は一日のうちでも変化する(朝が高い傾向)
一年のうちでも変化する。(冬が高い傾向)- 姿勢、運動、ストレスにも影響される
- タバコによる血液循環の悪化
- 過度のアルコール摂取
- 過度のカフェイン摂取(日常で飲む範囲なら影響はない)
- 偏りのない栄養バランスのとれた食事をとる
- 一度に大量の水分(1リットル以上)を摂取」
→ 一日通して1リットル以上の摂取は大丈夫 - 襟元のきつい洋服→血流が悪くなる
- 座位に比べ仰向け状態では眼圧が高い
- 原発閉塞隅角・原発開放隅角・正常眼圧緑内障の違い・予防・治療法は?
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- 原発閉塞隅角緑内障
- 隅角が狭い為、ふさがって房水の排出がうまくいかず眼圧が上昇すること。
慢性型と急性型がある。
白内障になると水晶体が膨らむ為、余計に隅角が狭まる。散瞳すると虹彩が広がるので、隅角が狭まる。 - 治療法 → ※ レーザー虹彩切開術(LI)
- 虹彩(黒目)の端に小さい穴をあけ房水が後房より前房によく流れるように隅角をあけ道をつくる。
- ※ 線維柱帯切開術(トラベクロトミー)
- 房水の流れの悪い線維柱帯を切開し眼圧を下げ房水を排出する。
- ※ 線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)
- 虹彩と強膜の一部を切除し、房水を目の外に流す新しい道をつくる。
- 原発開放隅角緑内障
- 隅角は十分開いているが、緑内障性視神経乳頭変化と対応する緑内障性視野変化が見られる。
房水排出路である線維柱帯が目詰まりし、房水の流れが悪くなり眼圧が上昇する。 - 正常眼圧緑内障
- 眼圧は正常値であるが視野や視神経は緑内障の症状をしている原因は、まだはっきりと分かっていないが、普通の視神経よりも眼圧による圧迫に弱い。
視神経の血液循環が悪かったり、もともと障害されやすい視神経があることが関係していると考えらている。 - 治療法→原発開放隅角・正常眼圧緑内障とも点眼液
- ①房水の流出による眼圧低下(プロスタグランジン関連薬)
②房水の産出を抑制による眼圧低下(交感神経遮断薬)
③①+②の配合薬 - 原発緑内障
- 他に原因となる病気がなく発病するもの。
- 続発緑内障
- 他の病気が原因になって引き起こされ、房水の排出が悪くなって眼圧が上昇。原因となる病気には、目の慢性炎症・眼底出血・外傷・糖尿病・白内障などがある。
- 発達緑内障
- 胎内で目の発達が十分でなく、形成異常が原因となって眼圧上昇が生じる。
生まれた時すでに発症しているだけでなく、遅発性のものもあります。
手術によって眼圧を下げ様子を見ながら、薬剤を使用する等の治療を行います。