『花粉症』暖冬で猛威 早目の予防・治療が効果
毎年花粉症に悩まされているOさん、今年はいつもより2週間ほど早く目がかゆくなる花粉症の症状が出てきて、あわてて眼科を受診しました。今年は花粉が少ないと聞いていたのに-と、困惑気味。
『花粉症』は花粉を原因とするアレルギーの一種で、日本人の5人にひとりが悩まされているといわれています。
アレルギー症状の発現は、過去に接触した花粉の量によります。去年まで何ともなかったのに今年から花粉症の症状が出だした、という人も多いようです。今まで症状がなかった人でも、花粉との接触が増え、感作(かんさ)されると、ある時を境に一挙に症状が出だすのです。
今年は当初、スギ花粉の飛散量は平年の20%、飛散開始日は2月20日頃と発表されていました。今年の花粉は少ない-と、油断していた人も多かったのではないでしょうか?
ところがフタを開けてみると、記録的な暖冬で約2週間も早まってスギ花粉の飛散が観測され、急に症状が出た人が多かったようです。
地球温暖化で花粉シーズンの通年化が加速、花粉の量も増え、アレルギー症状がきつく、また、今までなかった人にも起こりやすくなっています。
ここ数週間で、なんとなく目や鼻がクシャクシャするという方、乾いたり違和感があるという方、今まではなかった花粉症かもしれません。新しく開発された、よく効く点眼薬もありますので、お薬を試してみることをおすすめします。
Oさんは眼科で処方してもらった点眼薬で、きつかった症状が楽になりました。これからは油断しないで、早めの予防と治療をしようと決心しました。
花粉症の季節間近 治療は早目が効果的
Aさんは飼っているワンちゃんを連れて公園を散歩するのがお気に入り。でも以前から春先公園に行くとときどき目がかゆくなる症状がありました。昨年は2月を過ぎたころから特にひどく目も充血、眼科を受診したところ花粉症と診断され、血液検査でスギとヒノキの花粉によるアレルギーとわかりました。
花粉症は花粉を原因とするアレルギー性結膜炎の一種で、表のように飛散する時期に応じて症状の現れる時期も異なります。花粉により刺激された結膜からかゆみ物質であるヒスタミンが分泌され、目のかゆみ、充血、目やに、涙などの症状がおこります。くしゃみ、鼻水などの鼻炎症状を伴うことも多くあります。治療の基本はまず原因物質(アレルゲン)との接触を避けることです。どの花粉に対してアレルギーがあるかは簡単な血液検査でわかります。接触を避けたにもかかわらず症状がでてしまった場合は、点眼、内服による治療が必要になります。がまんしていると慢性化してしまうこともあります。治療は早いほど効果的、花粉に対するアレルギーがあるとわかっている方は症状がでる前から軽めの目薬で予防するのが症状を悪化させないコツです。
今年のAさんは2種類の目薬と内服薬を早めから併用、かゆみのコントロールに成功し快適に過ごすことができそうです。でもワンちゃんと花粉の多い公園に行くのはしばらくお預け。花粉のピークが過ぎるまでは花粉との接触を避けた方が無難です。
今年もぼちぼちスギ花粉の季節です。早めの対策をとりましょう。
「花粉症」について -アレルギー性結膜炎-
いよいよスギ花粉の季節(2月55月)到来。
今年の花粉は、例年の20倍、30倍ともいわれ、こんな情報に戦々恐々とされてはいませんか?
花粉症は、花粉のアレルゲン(アレルギを引き起こす物質)に対する一種のアレルギー反応です。目の結膜、鼻の粘膜がアレルギーにより炎症を起こし、クシャミ、鼻水、鼻づまり、目の充血、浮腫、かゆみ、涙のほか時には痛みを引き起こします。そのメカニズムは簡単に書けば図のようになります。花粉症対策の基本は、この連鎖をどこで断つかです。
まずゴーグル、マスクで花粉との接触を防御。ただし、いったん花粉と接触してしまえば何らかの治療が必要です。さもないと生活や仕事(Quality Of Life)に重大な支障をきたします。
治療にはヒスタミン(かゆみ物質)の分泌を抑える抗アレルギー薬、分泌されたヒスタミンの結合を抑え、働きを止める抗ヒスタミン薬、それにもかかわらず起こった炎症を抑えるステロイド、非ステロイドの抗炎症薬などで対処します。治療は早いほど効果的で、いろいろな方法があります。目に違和感を感じたら直ぐに眼科に相談ください。楽になります。